2020年1月8日水曜日

昨日は後ろから・・・

今朝目覚めてみると、昨夜から降った雪が庭を真っ白に染めていました。
これは絶好の撮影日和と意気込みましたが、雪が雨に変わり出かけられない状況です。
このまま指をくわえて雪が解けてしまうのを見るのはつらいですが、仕方がありませんね。

昨日は相方の休みの日、いつも通り一緒に野鳥撮りに出掛けました。
私が最近通い続けている水場です。
私はもう十分すぎるほどここに来る野鳥は撮影しているので、今回は後ろから相方の撮影指導です。
シャッタースピード、ISO感度、絞り補正の確認、撮影ポイントの確保、撮影構図と撮影タイミングの指導です。
野鳥撮影はほとんどの場合、突然の出来事なので以上のような確認が出来ないまま撮ってしまうのがほとんどですが、今回は場所が決まっていて来る野鳥も分かっているので、余裕をもって待つことが出来ます。
その中で一番難しいのは撮影のタイミングです。
早すぎると野鳥が驚いて逃げてしまいますし、遅すぎると飛び去った後になってしまいます。
ちょうどいいタイミングを見極めるのが大事です。
後ろからの私の指示通り、ちょうどいいタイミングで撮影できたようです。

相方が撮った沢山の写真の中から相方自身で選んだのは、ちょっとした仕草、動作の瞬間を捉えた写真二枚でした。暗い場所ではシャッタースピードを上げることが出来ないので、このような動きのある場面では多少ピントが甘くなってしまいますが、本人はこの様なショットがお好みのようです。
お店に飾れるようプリントしてやりました。

相方が自分で撮って、自分で選んだ写真二枚です



ここで野鳥写真いついての考察を少し・・・
日本の野鳥写真に対する見方が、世界の一般常識からかなりかけ離れた状況にあることを知っている人が意外と少ないと思います。
日本の野鳥写真の常識が、世界には通用しないと言う事を・・・

原因は、野鳥に対する認識の違いから来ているものと思われます。
具体的に言いますと、野鳥写真ですから野鳥が主役になって当然なのですが、日本の場合、野鳥は脇役、野鳥は背景を引き立てるためのポイント、アクセサリー的に使われることが結構多いように思われます。
これは、日本の野鳥写真の文化がまだ十分確立していないために、風景写真の見方、捉え方がそのまま野鳥写真の世界に入ってきているためだと思います。
何しろカメラやスマホをもって写真を撮っている人の大半が風景写真やスナップ写真の世界で楽しんでいて、野鳥写真を撮っている人達はほんの一握り、数パーセントにも満たないのですから・・・

勿論技術的にも難しい、装備的にも大変だと言う事もありますが、その場に行けば何とかそれなりに撮れてしまうその他の写真と違って、野鳥写真の場合、被写体となる野鳥を探すだけでもかなりの根気と粘りが必要となります。たとえ見つけたとしても相手はこちらの思うように待ってはくれません。カメラをむけた瞬間に飛び去ってしまいます。野鳥を撮るということが何と難しいことか、一度でも試してみたことのある人なら分かるかと思います。
その為に最初から野鳥写真を撮ることすらしない人達や野鳥写真は難しいと諦めた人達が、野鳥写真を見てああだこうだと風景写真の基準を無理やり野鳥写真に当てはめて意見を言うものですから、気の小さな野鳥写真家(?)は、そうなのかな~とその考えに同調してしまっているようです。


実際、海外の有名写真投稿サイトを見渡しますと、日本のような構図の野鳥写真はほとんどなく、野鳥そのものを主役にした、野鳥達をしっかり捉えた生き生きとした素晴らしい野鳥写真が大半を占めています。花や木やその他の背景はあくまでも野鳥を美しく綺麗に見せるための脇役であり主役は野鳥であると言うことがしっかり守られています。日本で野鳥写真と言われている背景を大きくとって野鳥をアクセサリー的に捉えた写真はほとんど評価されません。日本だけの常識が世界と全く違うことを改めて認識させられてしまいます。



野鳥写真である以上、野鳥に敬意を表し、大きく、鮮明に、生き生きとした表情をしっかり捉え、バックはすっきり、枝被りは勿論、白トビや黒トビにも注意しながら目にピントを合わせてクッキリ撮ってやる必要があるのではないかと思います。
これからも私はそのようなスタンスで野鳥写真を撮っていきたいと思っています。

もちろん時には雄大な風景写真も撮りますよ、その分野も大好きですから・・・