今シーズン、我が家の近くの里山で撮影できたルリビタキ、今回で最終回となります。
OM-1 300mm f4+1.4倍テレコン
今度のシステム(OM-1 300mm f4 PRO+1.4テレコン)
と野鳥撮影について・・・
使い始めて2か月半、まだまだ十分に使い込んだとは言えませんが、このシステムで良かったな~と感じた点、やはり無理だったか~と思う点など、私の得意とする野鳥撮影(野鳥写真)にだけ限定して述べてみたいと思います。
今主流のフルサイズ機よりもかなり小さな映像素子(面積比約1/4のマイクロフォーサーズ)なので、それに起因する問題点・・・、それは購入する前から分かっていたことですが、やはり実際使ってみると想像以上のものがありました。光量不足からくる画質の低下(ノイズの多さ)です。日中の明るい場所では特に問題はありませんが、どんよりとした曇り空、薄暗い森や林の中などではてきめんです。一気にノイズが増えて画質が低下してしまいます。特に私のように野鳥をクッキリ、ハッキリ撮影したい人間にとってはかなり大きな問題です。かと言ってそれをある程度予想していたうえで購入したのですから今となってはどうしようもありません。その欠点を十分に承知しながらも、撮影条件を工夫したり、カメラの設定を変えたりしながら何とか使いこなして行こうと思っています。
もちろん映像素子が小さい故の利点もあります。それは当然ですが小さな(短い)レンズでも野鳥撮影が可能なことです。フルサイズなら800mm欲しい所、マイクロフォーサーズならその半分の400mmで焦点距離がほぼ同等となります。したがって、より軽いレンズ、より安いレンズで野鳥撮影が楽しめます。
画質を優先するか、軽さを優先するか、人によって考え方は様々だと思いますが、手持ちメインの撮影スタイル、今の自分の年齢やこの先の体力低下を考慮すると、現時点では後者を選ぶしか私には選択の余地がありませんでした。フルサイズで使える明るくて軽い超望遠レンズ(例えば600mm f4で手持ち撮影が可能な重さ2kg弱)が出来ればすぐにでも考えを変えますが・・・
AFのスピードに関しては全く問題なし、野鳥トラッキングに関しては、まあこんなもんでしょうと言った感じですかね、川や空など背景が単純な場所では野鳥をしっかり捉えるものの、林の中や藪の中では手前の小枝にピンが合ってしまいほとんど使い物になりません。その辺は予想の範囲内なので、そんな時は従来の一眼レフで慣らしたシングルフォーカスに切り替えて対応しています。
一眼レフ機に慣れた私にとってEVFには不安があったものの、ファインダーの設定を120fpsに変更することで思ったほどの違和感がなかったことは幸いです。
電子シャッター使用時の秒20コマは撮り過ぎて後処理が大変と感じる時もありますが、こんな瞬間も撮れた~と喜ぶ時もあり、いろいろです。最初使っていたSDカード(200MB/s)の時は連写の時にバッファに不満がありましたが、300MB/sのSDXCⅡに変えてからはほぼ満足な連写が可能になりました。野鳥撮影の場合、CFexpressカードスロットの無いカメラでは、絶対に必要なカードだと思います。
他にもミラーレス機ならではの便利機能など沢山ありますが、特筆すべきはAFリミッターです。どのメーカーの望遠レンズにも付いているこの機能ですが、カメラ本体にも付いているのは私が知っている限りではこのメーカーだけかもしれません。レンズに付いているAFリミッターの設定範囲は二通りか三通りと限定的ですが、このカメラ本体の設定は数メートルから数百メートルまで自由に設定することが出来るので、特に野鳥撮影をする時などはとても便利です。例えば野山を歩きながら野鳥を探している時などはレンズの最短距離から20m位までに設定することで、フォーカスが遠くの林や山に抜けてしまうことが防げるので、小さい野鳥を捉えられず∞まで行ったり来たりする迷いがほとんど無くなります。そのうえ、この設定は他のカメラ設定と組み合わせてカスタムモード(1~4)に登録することが出来るので、シーンに応じた設定をそれぞれのモードに登録しておけば瞬時に切り替えることが可能・・・、大変便利です。私のように野鳥しか撮影しない人間にとってこの機能は絶対に無くてはならないものになっています。この機能を使い始めてからは瞬時の出会いでもフォーカスの迷いがなく一発で目的の野鳥に合わせることができるようになりました。
野鳥撮影における各シーンごとのカメラ設定(カスタムモード登録)については、次の機会にでも述べたいと思います。
カメラ選びで一般的によく言われる「どのカメラが良いか悪いか」よりも、その人がどんな撮影スタイルなのか、どんな写真を撮りたいのか、そのためにはどんな設定で撮影すればいいのかが重要なのではないかと思います。 カメラの持っている性能を限界まで引き出せるようしっかり勉強しながら当分の間はこのシステムを使っていきたいと思っています。